個性

「上の子がかわいくない」「下の子を理解できない」というママへ

同じように愛したいと願う心の裏返し

同じわが子なのに、上の子だけ、あるいは下の子だけ理解できない。かわいいと思えない……。そんなお母さんの悩みにお答えします。
「上の子がかわいくない……」「下の子が理解できない」ふたりのお子さんを持つお母さんから、こんなお悩みの相談を受けることが、わりとよくあります。どの子も愛しいわが子。同じように愛して、同じように大切に育てたい。なのに、上の子だけ、あるいは下の子だけ、あまりかわいいと思えない。「私はひどい母親です。こんな気持ちはいけない、いけないと思うんです。でも、どうにもならなくて、苦しくて……」そう言って涙を流されます。
本当にひどい母親なら、こんなことで悩みはしません。心の奥深くで「あの子も同じように愛してあげたい」と願っているからこそ、あるいは、「自分の愛情不足であの子が傷ついているのではないか」と心配に思うからこそ、ままならない自分の心に悩み、自分を責めるのでしょう。 私は「いいお母さんだなあ」と思います。と同時に「まじめなお母さんだなあ」とも思います。他人が見れば、おそらくきょうだいを差別して扱っているようには見えないのでしょうが、お母さん自身にとって、同じわが子に対して抱く愛情にほんの少しの差があることが許せないのでしょう。

個性は十人十色、百人百色

子供への愛情の濃淡で悩むお母さんは、世間にたくさんいます。ところが、3人以上の子供を持つ母親になると、こうした悩みは突然減ります。「うちの4人きょうだいは、ホント個性がバラバラ。3番目なんて、私からすればもう宇宙人よ!あの子の考えてることなんて私にはサッパリわからないわ」。そう言ってケラケラ笑っているお母さんもいます。きょうだいが多くなると、親は、一人ひとり個性も才能も全然違うことを悟ります。きょうだいそれぞれに長所も短所もあること、親との相性で分かりやすい子と分かりづらい子がいること、それが大きくなって逆転することもあること、そんな諸々を、自然と悟っていくのです。
子育ては親を成長させてくれます。個性の異なる子供たちがいるからこそ、親は、多様な個性をあるがままに受け入れることができる心の広い、器の大きい人間に成長していけるのです。

神様の庭に咲く百万本の花

子供の数がふたりだと、子供の個性の違いや愛情の濃淡がくっきりと浮き上がって見えるかもしれませ。それが、いつの間にか特定の子供に対する親の強い執着になって、親子で苦しみをつくる場合があります。でも子供は、お母さんの幸せのために生まれてきたのではありません。その子らしく咲くために生まれてきたのです。こう考えてみてはどうでしょうか。「私もこの子も、神様の庭に咲く百万本の花の一輪。私が私らしく咲くことを許されているように、この子もこの子らしく咲くことを許されているはず。そうして咲いた色とりどりの花々が、この世界をこんなにも豊かに彩っている。だから世界は美しい」と。