勉強

子供が小学校に入学しますが、勉強のコツを教えてください。

「繰り返し」には魔法のような力がある

 人には「成長本能」というものがあります。今よりも成長したい、もっとできるようになりたい、もっと賢くなりたい、もっと高いところまで行きたい、という本能です。「向上心」とも言います。しかし、どんなに向上心があっても、人は何でもすぐに出来るようにはなりません。勉強であれスポーツであれ同じです。何かが出来るようになるには「繰り返し」が必要です。
 ある2才のお子さんが、お教室でパズルに興味を示しました。ママは「おうちでやったことがないから、できないかも」と言います。でも「これやってみたい?」と聞くと、その子は「うん」と答えます。「じゃあ、まずこの箱から、パズルを出してごらん」と、箱開けからやらせてあげます。何もかも大人に準備されて「さあやりなさい」と提示されるより、自分で箱を開けるという能動的行動から入ることで、子供のやる気が強まります。
 パズルは、穴のようにへこんだ所に、他のピースの出っ張ったところを合わせていきます。絵を頼りに考える子、形を頼りに考える子、勘でともかく動かしてみる子など様々です。その子の得意な力に合わせて「お手本の絵をよくみてごらん」「形をよく見てごらん」「くるくる回してみてごらん」と導くと、次第に出来るようになります。その子も一つのパズルを完成させました。
 一つ達成すると、次がやりたくなるのが子供です。止めないと夢中で繰り返します。繰り返しているうちに向上心が湧き、もっと難しいものがやりたくなる。難しいものに挑戦すると、最初はなかなか出来ないけれど、また繰り返しているうちに完成までの時間がどんどん早くなっていきます。

繰り返しは習熟の時間

 この繰り返しの時間を「習熟期」と言います。習熟期を過ぎると、子供はさらに難しいものに挑戦していきます。そのお子さんは、お教室に来るたびにパズルをやり、気がつくと、ママが「こんな才能があったのね!」と驚くほどになりました。しかし、これはお子さんの才能の問題というより、繰り返しの魔法の力が大きく働いています。
 勉強でもスポーツでも習い事でも、上達のプロセスは同じです。まずやってみる。繰り返しやってみる。すると出来るようになる。出来ることが嬉しくて、もっと繰り返すうちにもっと上手になる。次に、もっと難しいものに挑戦する。簡単にはマスターできないけれど、繰り返しやることによって習熟し、さらに次のレベルを目指す。
 人気のウィンタースポーツ、フィギュアスケートでも同じでしょう。最初からきれいなビールマンスピンや4回転ジャンプが出来るわけではない。2回転のジャンプが出来るようになり、それを繰り返して習熟すると、次に3回転に挑戦。何度も転び、何度も立ち上がり、弛まぬ繰り返しの中で3回転を習熟していき、やがて4回転に挑むようになる。
 このように、人は「階段」と「踊り場」を交互に経験しながら成長していきます。踊り場では、登っていないように見えるけれど、単調に見える繰り返しの中で、次の成長のための土台を築いているのです。どうかお子さんにも、「勉強もスポーツも繰り返しが大事よ」と教えてあげてください。