よーく分かります!
「ママわかってる?ママのかおコワイ、コワイんだよー(号泣)」もう15年以上前、当時5才の息子にカッとなって怒りをぶつけたとき、息子が私に向かって必死に訴えた言葉です。一体私はどんな顔をしていたのでしょうか。想像すると今でも冷や汗が出ます。
それから私は、一生懸命に自分の怒りの正体と向き合い、闘いました。本当は、息子に言われるずっと前から、カッとなって怒る自分を止めたかったのです。でも、止めたいと思っても止まらない。自分で自分を止められない。そんなジレンマの中で、また子どもを傷つけ、子どもを傷つける自分を許せなくて、また自分を責める。そんな日々の繰り返しから何とかして抜け出したかったのです。
大丈夫!その怒りは止められます
「なぜ私はカッと怒るのだろうか」天使のような子どもの寝顔を見ながら考え続けました。答えは簡単です。わが子が自分の思い通りにならないからです。でも、何でもかんでも息子を自分の思い通りにしたいとか、自分に都合のいい子供でないと気がすまないという感情が間違っていることも薄々分かっています。でも怒りが止められない。どうすればこの怒りが止まるのか、私は考え続けました。
怒りは、感情の爆発です。感情がいったん爆発すると、怒りは心をハイジャックしてしまい、心が怒りに乗っ取られてしまいます。「コラ私!また同じことの繰り返しだぞ」「子どもを傷つけるぞ」と、どこかで小さく理性の声がしても心のコントロールはききません。そして怒りは次々と連鎖爆発を引き起こします。「何度同じことを言わせるの!」「昨日も言ったでしょ!」「先週も言ったじゃない!」「そもそもあなたは1年前から……!」と、芋づる式に過去のことまで引っ張り出してしまいます。
実は男性は、過去の出来事を「こういうことがあった」と事象として記憶しますが、女性の多くは「前にこういうことがあった。その時自分はこういう気持ちだった」と、当時の感情も一緒に記憶します。だから、女性は他の人の喜びや悲しみに共感したり寄り添ったりすることが得意なのですが、いったん怒りが爆発すると、過去の怒りの記憶まで次々に思い出して爆発させるという困った事態に陥ります。
では、どうすれば怒りの感情にハイジャックされずにすむのでしょうか。答えは「1個目の怒りの爆弾を爆発させない」です。怒りそうなとき、あなたは自分のイライラした感情を見つめ続けているはずです。あるいは、子どもが「案の定」な行動をとるのを、鷹のように鋭い目で追い続けているはずです。それを「見ない!」と心に命じてください。
次に、自分のほっぺを両手で包んで「いや~ん、もう! 私ったら、ま~たイカリングフライ♪」と、可愛いポーズをとりましょう♡ ちょっと恥ずかしいという方は、握り締めた拳を目の前で開き、目も見開いて「ぱあっ!」と言ってみましょう♡あるいは自分の「怒りの玉」をサッカーボールに見立てて遠い山の向こうまで蹴り飛ばしてみましょう♡
感情は行動に従う
理屈ではありません。感情は行動に従うものです。まず1ヶ月、さらに3ヶ月、半年と続けてみてください。一年もすればあなたは過去の「カッと怒る自分」を笑い飛ばせるようになっているはずです。そして、未熟な子どもと未熟な自分を大らかな心で許せるようになっていることと思います。心から健闘を祈ります。