英才教育

どういう英才教育が、将来役に立ちますか?

天才・偉人と呼ばれる人たちの生き方

 1日は24時間、1年は365日、人間に与えられた時間は皆同じなのに、その時間を使って天才・偉人と言われるような偉大な業績を遺す人々がいます。有名な偉人ならエジソンやヘレン・ケラー、同時代の人ならイチローや羽生善治永世七冠などでしょうか。彼らは一体何が他の人と違うのでしょうか。天命でしょうか?才能でしょうか?それ以外の何かでしょうか?
彼らはまず、自分の人生の時間の大半を費やして、無私無欲な情熱と惜しみない努力で自らの天性の力を開花させます。さらに努力して、社会の発展や幸福に貢献するという偉業を成し遂げます。人生の喜びも悲しみも非常な苦難困難も、すべてを智慧と力に変えて素晴らしいものを創造し続ける人たち。それが、天才・偉人と呼ばれる人々です。天才・偉人は数学や物理学、音楽や芸術や文学だけでなく、教育や国家経営や企業経営など様々な分野でその力を発揮し、どの時代でも世界をリードしています。
 「あなたは天才ですか?」と彼らに尋ねると、皆一様に「いいえ、すべて努力です」と答えます。おそらく、偉業を成し遂げるまでに注がれた莫大な時間と情熱の前には、自分に天分が有るか無いかなど、大した意味はないのでしょう。彼らがいつも考えているのは、「自分にできるかどうか」「自分が天才かどうか」ではなく、「どうすればできるのか」ということ。あるいは「もっと究極の理想に近づきたい」という強い願いなのです。

天才性を花開かせる教育とは?

様々な分野の天才・偉人を研究すると、ある共通項に気づきます。それは、幼い頃から真善美に対する情操が極めて鋭いということです。偽りや悪や醜いものに心惹かれるのではなく、真善美という人類普遍の尊い価値に心惹かれ、驚くべき速さで理想に向かって自分を成長させます。言いかえれば、まるで神様のように心が美しい、ということです。本当に心が美しい人は、欲望や悪に振り回されることなく、迷い少なく理想を追いかけられるようです。
もし、わが子に真の英才教育を施したいと願うなら、特殊な才能開発に時間を注ぐ前に、まず第一に、天性開花の土壌となる美しい心や真善美に純粋に憧れるような情操を育んであげればよいのではないでしょうか。そこから何の花が咲くかは、本人の魂が知っています。だから――
魂が善なることを信じてあげましょう。
期待をかけてあげましょう。
いいところをたくさん見つけて、うんと褒めてあげましょう。
春のようなあたたかいまなざしと、明るい言葉を注いであげましょう。
未来は明るいと教えてあげましょう。
人間は才能より努力だと教えてあげましょう。
時間を大切にすることと、考えることの偉大さを教えてあげましょう。
社会や人類に貢献することの大切さを教えてあげましょう。
真実、善、美、愛、智慧、神、信仰といった、目に見えないものの尊い価値を教えてあげましょう。
これこそが、真の英才教育だと私は思います。親御さんが言葉と行動で、また自分の人生の後ろ姿でこうしたことを教えてあげれば、お子さんは天性の力を存分に発揮してたくましく力強く成長するでしょう。やがて世の中を明るく照らす光となって、人々を愛し、人々から愛される人生を送っていくことでしょう。